KMさん XJR1300車検点検見積報告!
2015/04/28 Tue. 20:46 [お預かり車両点検修理!!]
こんにちは
お待たせしました。
KMさんのXJR1300車検前点検見積がようやくできましたのでご報告です。

この車両は不動の期間があったらしく、ご来店時もエンジンが停止しレッカーにてご入庫(^_^;)
エンジンはかかるけど調子が悪いとの事でした。
点検に入る前に、エンジンを始動し確認をしてみます。
するとやはり、左から1~4番になる3番4番が不完全燃焼なのか、マフラーのエキパイの温度が上がらず、アイドリングもかろうじてしている感じです。
預かり時に同じ状況は確認済みですが、やはりキャブレターではないかと疑問を持った次第です。
バッテリーも充電したけど5年以上同じバッテリーのようで、かける際は上がっていてジャンプバッテリー使用でスタートしました。
そのバッテリーの電圧からチェックです。
常時電圧は意外にもこんな感じ。(12.5V以上あるのが理想)
しかし、メインキーをONにした途端電圧は低下し、11V前半まで落ち込みました。
更に、スターターを押すとセルモーターが回ろうとしますが、カリカリ言うだけで回りません。
その際の電圧は4V~5Vま落ち込みました。
結論・・・・もう寿命のようです。
充電しても恐らく同じだと思われますので、バッテリーは交換です。
ウインカー等の灯火装置(保安装置)は問題なく作動しています。
充電電圧はジャンプバッテリーの電圧を見て確認しましたが、問題ないレベルです。
では、続いて足回りから点検開始です。
フロント足回り
ステアリングステム、ホイールベアリングは違和感もなく問題無。
ブレーキも引き摺りなしです。
フロントフォークはオイル漏れ等はありませんが、ダストシールにひび割れを見つけました。
このシールは、ダストシールと言って、この真下にあるオイルシールを雨水やほこりから守っている部品です。
年の為、ダストシールを浮かせて、オイルシールが傷んでいないかをチェック
幸いオイルシールもストッパーリングも錆びていませんね。
今のうちにダストシールは交換しておきます。
ブレーキは引き摺りも無くいい感じですね。
キャリパーを確認します。
右側キャリパー
左側
パッドの厚み、キャリパーピストンの状態作動ともに問題はありません。
フロントマスターシリンダーのフルード
色が変色してきていますね。
交換し、エア抜きをしておきます。
この作業は2年に一度ちゃんとやるだけで、今のブレーキを維持できるで車検なら必須ですね。
クラッチマスターのフルード
クラッチも油圧なので、ブレーキと同じフルードが使用されています。
ブレーキ同様で2年に一度交換し、エア抜きです。
作動確認は問題無。
タイヤ
前後とも2009年製造です。
溝はしっかりあります。ひび割れも特にありませんので、車検は問題ありませんが、ぼちぼち古くなってきているので、グリップに不安があるようならその時に交換してください。
リアの足回りも、クッション、スイングアームピボット軸受けに問題はありません。
車体が綺麗なので、安心して見る事が出来ました。
リアブレーキ
マスターシリンダーリザーブタンク
フロントほど汚れた感じがありませんが、時期は同じにしておく必要があると思うので、フルード交換、エア抜きは必要です。
リアキャリパー
こちらもフロント同様に問題無。
よくこのコンディションで維持されているなと、感心しました。
駆動系
チェーンもスプロケットも摩耗も少なく油もまわっているので、調整だけで問題無。
足回りについては、文句なしです。
引き続きエンジン周辺
先ずは、点火プラグを確認
プラグを外すためにガソリンタンクを外していた時に、異様に軽く感じたので、中身を確認したら・・・殆ど入っていません・・・・・
おまけにコックの位置は「ON」・・・・これはもしかして、ガス欠なのでは?
思わず、再度ガソリンタンクを戻しエンジンをかけてみたんですが、結局「RES」にしても症状変わらずでした(^_^;)
キャップを外している時に分かったのですが、2番シリンダーのキャップが乗っかっているだけの状態でした?!
結局の所症状に影響はないかも知れませんが・・・後にわかります。
点火プラグ
プラグを見たら分かり易いですね。キャップの外れ掛かった2番から4番は黒く煤けています。
特に4番は完全にかぶってしまっています。
ここまで汚れているとそのまま再使用はしたくありませんね・・・
調子だしの段階で、プラグがご臨終になるやしれませんので今回は交換して置きます。
次はエアクリーナー
若干汚れが有りますが、乾式タイプなので影響はないと思われます。
と言いますか、キャブレター修理に費用が嵩むので、今回はパスですね。。
さてさて、いよいよ本題に入っていくわけですが、いきなりキャブを分解するわけにもいかないので、一番怪しい4番キャブのフロートチャンバーを外し確認してから、調べていきます。
これで、汚れが確認されればキャブレターを外して分解となる訳ですが・・・

ご覧のありさまでした・・・
ガソリンが劣化しタール状にジェットの周辺をまとわりついています。
ここまで行くとジェットもダメですね・・・
キャブレターはOHが必要です。
キャブとエンジンを繋ぐインテークマニーホールドも亀裂が入っています。
このままの状態では、キャブが直っても二次空気を吸いかねないので、キャブが外れているこの機会に交換をしておきましょう。
むろん再使用は問題になりかねないので、必須とさせて頂きます。
キャブレターを外す前にその他を見ておきます。
エンジンオイル
最近交換したらしく、ガソリンのフローも無かったのか、適量で、色も綺麗です。
この状態は影響無さそうですね。
預かり時に、エンジンオイルの漏れを聞いていたので、ヘッドカバー周辺を確認します。
ヘッドカバーガスケット周辺が滲んでいますね。
それも結構新しい感じに見えますので、これからもっと酷くなると思われます。
オイル漏れは車検ではごまかされても走行中に足元を汚したり、場合によってはオイル量低下を招きますので、交換修理が理想です。ただ、滲みレベルならもう少し先でも構わないのですが、今回の症例だと結構な量漏れ出す様にも思えますので、この際に修理しておいた方が無難です。
ではキャブレターを外して分解していきます。
左から1~4番
やはり、3番4番が酷く汚れているのが分かると思いますが、予想以上にタールになっています。。。
さらに分解
上にあるジェット類のうちメインジェット、パイロットジェットは重要な役割がある上に、燃料を計量する穴がピンホールの為、再使用しようと溶剤に漬け込んだりすると、サイズが大きくなったりしかねません。
スタータージェットは、チョーク系の部品なので、この部品は洗浄し再使用する予定ですが、3番4番は交換ですね。
ジェットは番号で番手管理されているのですが、この穴がまた小さく針で突いたような穴(ピンホール)になるので、交換しないと後で面倒な事に成りやすく、場合によっては再び交換の為にキャブを分解しなくてはなりませんので交換は致し方ありません。
しかし幸い、1番2番は嘘のように綺麗ですので、今回は軽く洗浄後磨いて再使用です。
基本的にパッキン類は交換し再利用はあり得ません。
ニードルバルブセットもセット交換になります。消耗も見られるしこのまま再使用はオーバーフローを呼びますので、調子が出ません。
部品代が一つ当たり3000円弱になりますが4つとも交換です。
キャブの本体も以前フローしていたのでしょうね・・
1番2番
3番4番
吸い口になるビックボア部はタールでコテコテ・・・
通路もふさがっていますので、今回は連結解除の4連バラシによるOHになります。
通常の連結したままのOHより工賃が上がりますが、これも仕方の無い事ですね・・・
燃料系バイパスになるところのOリングパッキンも交換です。
バキュームピストンのダイヤフラムはまだ大丈夫。ニードルと共に洗って再使用です。
キャブレターは結局大工事になりますが、中途半端な作業は後に不調を招きますので、ちゃんとしておきましょう。
今後はこの様な状態にならないように、バイクに乗ってください。
エンジンをかけておけば大丈夫などと言うのは、それ相応の対処が必要です。
普通に言われているやり方では、同じことを繰り返す事になりますので、全ての寿命をを伸ばしたければ適度に乗る!これに限りますね。
さて、点検結果から以下の内容で見積を書いています。
・ヘッドカバーガスケット交換・・・お勧め
・キャブレターOH(4連バラシ)・・・必須
・キャブレタージョイント(インテークマニーホールド)・・・必須
・点火プラグ交換・・・必須
・バッテリー交換・・・必須
・ブレーキフルード、クラッチフルード交換・・・・必須
・フォークダストシール交換・・・・お勧め
・シート下ウレタンスポンジ交換・・・御依頼分
・ドライブチェーン調整・・・・サービス
以上
ご検討よろしくお願いします。
電話でお伝えした通り、部品はGW休み明けになりますので宜しくお願いします。
お待たせしました。
KMさんのXJR1300車検前点検見積がようやくできましたのでご報告です。

この車両は不動の期間があったらしく、ご来店時もエンジンが停止しレッカーにてご入庫(^_^;)
エンジンはかかるけど調子が悪いとの事でした。
点検に入る前に、エンジンを始動し確認をしてみます。
するとやはり、左から1~4番になる3番4番が不完全燃焼なのか、マフラーのエキパイの温度が上がらず、アイドリングもかろうじてしている感じです。
預かり時に同じ状況は確認済みですが、やはりキャブレターではないかと疑問を持った次第です。
バッテリーも充電したけど5年以上同じバッテリーのようで、かける際は上がっていてジャンプバッテリー使用でスタートしました。
そのバッテリーの電圧からチェックです。

常時電圧は意外にもこんな感じ。(12.5V以上あるのが理想)
しかし、メインキーをONにした途端電圧は低下し、11V前半まで落ち込みました。
更に、スターターを押すとセルモーターが回ろうとしますが、カリカリ言うだけで回りません。
その際の電圧は4V~5Vま落ち込みました。
結論・・・・もう寿命のようです。
充電しても恐らく同じだと思われますので、バッテリーは交換です。
ウインカー等の灯火装置(保安装置)は問題なく作動しています。
充電電圧はジャンプバッテリーの電圧を見て確認しましたが、問題ないレベルです。
では、続いて足回りから点検開始です。
フロント足回り

ステアリングステム、ホイールベアリングは違和感もなく問題無。
ブレーキも引き摺りなしです。
フロントフォークはオイル漏れ等はありませんが、ダストシールにひび割れを見つけました。

このシールは、ダストシールと言って、この真下にあるオイルシールを雨水やほこりから守っている部品です。
年の為、ダストシールを浮かせて、オイルシールが傷んでいないかをチェック

幸いオイルシールもストッパーリングも錆びていませんね。
今のうちにダストシールは交換しておきます。
ブレーキは引き摺りも無くいい感じですね。
キャリパーを確認します。
右側キャリパー


左側


パッドの厚み、キャリパーピストンの状態作動ともに問題はありません。
フロントマスターシリンダーのフルード

色が変色してきていますね。
交換し、エア抜きをしておきます。
この作業は2年に一度ちゃんとやるだけで、今のブレーキを維持できるで車検なら必須ですね。
クラッチマスターのフルード

クラッチも油圧なので、ブレーキと同じフルードが使用されています。
ブレーキ同様で2年に一度交換し、エア抜きです。
作動確認は問題無。
タイヤ


前後とも2009年製造です。
溝はしっかりあります。ひび割れも特にありませんので、車検は問題ありませんが、ぼちぼち古くなってきているので、グリップに不安があるようならその時に交換してください。

リアの足回りも、クッション、スイングアームピボット軸受けに問題はありません。
車体が綺麗なので、安心して見る事が出来ました。
リアブレーキ
マスターシリンダーリザーブタンク

フロントほど汚れた感じがありませんが、時期は同じにしておく必要があると思うので、フルード交換、エア抜きは必要です。
リアキャリパー


こちらもフロント同様に問題無。
よくこのコンディションで維持されているなと、感心しました。
駆動系



チェーンもスプロケットも摩耗も少なく油もまわっているので、調整だけで問題無。
足回りについては、文句なしです。
引き続きエンジン周辺

先ずは、点火プラグを確認
プラグを外すためにガソリンタンクを外していた時に、異様に軽く感じたので、中身を確認したら・・・殆ど入っていません・・・・・
おまけにコックの位置は「ON」・・・・これはもしかして、ガス欠なのでは?
思わず、再度ガソリンタンクを戻しエンジンをかけてみたんですが、結局「RES」にしても症状変わらずでした(^_^;)

キャップを外している時に分かったのですが、2番シリンダーのキャップが乗っかっているだけの状態でした?!
結局の所症状に影響はないかも知れませんが・・・後にわかります。
点火プラグ

プラグを見たら分かり易いですね。キャップの外れ掛かった2番から4番は黒く煤けています。
特に4番は完全にかぶってしまっています。
ここまで汚れているとそのまま再使用はしたくありませんね・・・
調子だしの段階で、プラグがご臨終になるやしれませんので今回は交換して置きます。
次はエアクリーナー


若干汚れが有りますが、乾式タイプなので影響はないと思われます。
と言いますか、キャブレター修理に費用が嵩むので、今回はパスですね。。
さてさて、いよいよ本題に入っていくわけですが、いきなりキャブを分解するわけにもいかないので、一番怪しい4番キャブのフロートチャンバーを外し確認してから、調べていきます。
これで、汚れが確認されればキャブレターを外して分解となる訳ですが・・・



ご覧のありさまでした・・・
ガソリンが劣化しタール状にジェットの周辺をまとわりついています。
ここまで行くとジェットもダメですね・・・
キャブレターはOHが必要です。
キャブとエンジンを繋ぐインテークマニーホールドも亀裂が入っています。

このままの状態では、キャブが直っても二次空気を吸いかねないので、キャブが外れているこの機会に交換をしておきましょう。
むろん再使用は問題になりかねないので、必須とさせて頂きます。
キャブレターを外す前にその他を見ておきます。
エンジンオイル

最近交換したらしく、ガソリンのフローも無かったのか、適量で、色も綺麗です。
この状態は影響無さそうですね。
預かり時に、エンジンオイルの漏れを聞いていたので、ヘッドカバー周辺を確認します。



ヘッドカバーガスケット周辺が滲んでいますね。
それも結構新しい感じに見えますので、これからもっと酷くなると思われます。
オイル漏れは車検ではごまかされても走行中に足元を汚したり、場合によってはオイル量低下を招きますので、交換修理が理想です。ただ、滲みレベルならもう少し先でも構わないのですが、今回の症例だと結構な量漏れ出す様にも思えますので、この際に修理しておいた方が無難です。
ではキャブレターを外して分解していきます。




左から1~4番
やはり、3番4番が酷く汚れているのが分かると思いますが、予想以上にタールになっています。。。
さらに分解




上にあるジェット類のうちメインジェット、パイロットジェットは重要な役割がある上に、燃料を計量する穴がピンホールの為、再使用しようと溶剤に漬け込んだりすると、サイズが大きくなったりしかねません。
スタータージェットは、チョーク系の部品なので、この部品は洗浄し再使用する予定ですが、3番4番は交換ですね。
ジェットは番号で番手管理されているのですが、この穴がまた小さく針で突いたような穴(ピンホール)になるので、交換しないと後で面倒な事に成りやすく、場合によっては再び交換の為にキャブを分解しなくてはなりませんので交換は致し方ありません。
しかし幸い、1番2番は嘘のように綺麗ですので、今回は軽く洗浄後磨いて再使用です。

基本的にパッキン類は交換し再利用はあり得ません。
ニードルバルブセットもセット交換になります。消耗も見られるしこのまま再使用はオーバーフローを呼びますので、調子が出ません。
部品代が一つ当たり3000円弱になりますが4つとも交換です。
キャブの本体も以前フローしていたのでしょうね・・
1番2番

3番4番


吸い口になるビックボア部はタールでコテコテ・・・
通路もふさがっていますので、今回は連結解除の4連バラシによるOHになります。
通常の連結したままのOHより工賃が上がりますが、これも仕方の無い事ですね・・・
燃料系バイパスになるところのOリングパッキンも交換です。

バキュームピストンのダイヤフラムはまだ大丈夫。ニードルと共に洗って再使用です。
キャブレターは結局大工事になりますが、中途半端な作業は後に不調を招きますので、ちゃんとしておきましょう。
今後はこの様な状態にならないように、バイクに乗ってください。
エンジンをかけておけば大丈夫などと言うのは、それ相応の対処が必要です。
普通に言われているやり方では、同じことを繰り返す事になりますので、全ての寿命をを伸ばしたければ適度に乗る!これに限りますね。
さて、点検結果から以下の内容で見積を書いています。
・ヘッドカバーガスケット交換・・・お勧め
・キャブレターOH(4連バラシ)・・・必須
・キャブレタージョイント(インテークマニーホールド)・・・必須
・点火プラグ交換・・・必須
・バッテリー交換・・・必須
・ブレーキフルード、クラッチフルード交換・・・・必須
・フォークダストシール交換・・・・お勧め
・シート下ウレタンスポンジ交換・・・御依頼分
・ドライブチェーン調整・・・・サービス
以上
ご検討よろしくお願いします。
電話でお伝えした通り、部品はGW休み明けになりますので宜しくお願いします。