Hさん フォルツァエンジン始動困難修理考察と定期点検!&Sさん、ZZR1100エンジン不調修理考察!
2014/11/11 Tue. 22:26 [お預かり車両点検修理!!]
こんにちは
少し時間が開いちゃいましたが、先日行ったHさんのフォルツァの点検結果を報告です!
元々はエンジンをかける事急に出来なくなったために修理でのご依頼でした。
引き取りに出向き確認したところ、バッテリー上がりでは?と思いましたので、ジャンプ用バッテリーで持ち帰り後早速エンジントライ!
すると、すこっとエンジンはあっさり始動することが出来ます。
やはり、読み通りバッテリー上がりが原因だったようです。
最近はインジェクションモデルが普及しているので、長年動かしていない車両でも、ガソリンを抜き替えて、バッテリーさえ交換すればエンジンは始動することも多いんですよね~^^;便利な世の中です。
状況を早速伝えたところ、ほったらかしになっているからと定期点検をご依頼くださいました。
では、報告です。
走行距離は43500㌔
パッと見た感じはやれている感じが漂っています。。。ご依頼主さんの息子さんに貸し出していたらこうなったそうな^^;;
今回原因、バッテリーからチェックしていきました。
初見でもそうだったんですが、スマートキーの反応が悪いんすよね・・・
メータのコーションも点滅しているので、スマートキーの電池も終わりのようです。
で、早速電池交換!
試してみると問題なく電源が入ってくれるようになりました。
っと、バッテリーでしたね
付いていたバッテリーは安価バッテリーでした。
電圧も9.41Vとご臨終です。。。。
充電系のチェックをジャンプ用バッテリーにてエンジン始動して、電装品と一緒にテストしていきます。
充電は問題なくしてくれるようですね。
ただ、灯火類のチェックをしていてダメなところを発見!
フロントウインカーです。
レンズがクリアーに変更されていますが、電球が・・・・
これでは整備不良でつかまりますね・・・
オレンジ球に交換しておくべきです。
後ヘッドライトのLOWビームは正常ですが・・・
HIビームの左が切れてました
こちらも電球交換が必要ですね。
他の保安装置は問題無
続いてフロントの足回り
フロントフォークの錆やオイル漏れ等はありません。
作動も、ややヘタリ感が強いですが走行には支障をきたさないレベルです。
しかし、フォークのダストシールにはひび割れがありました。
左右共にこのひび割れは見られます。
ヘタリ感もあるので、少し費用が掛かりますが、オーバーホールをするかダストシールだけでも交換するかしておいた方が良いですね・・
フロントブレーキキャリパー
パッドの残量も適正でピストンの作動も言うほど悪くないですね^^
ダストがたまっていたので、エアブローし掃除だけしておきました。
フロントマスターシリンダー
フルードの確認
もう何年も交換してませんね・・・
リヤマスター
こちらも同じく・・・
キャリパーの作動がまだましなうちに一度ちゃんと抜き替えてエア抜きもしておくべきですね。
書き忘れていましたが、フロント足回りのホイールベアリング、ステムベアリングはガタも無く正常です。
フロントタイヤ
こちらも溝、タイヤの状態共に異常なし。空気圧が低そうなので、きっちり見直しておきます。
リヤ足回り
エンジンマウント、リヤドライブシャフトベアリング、ピボット部共にガタも無く正常でした。
リヤサスペンションはヘタリ感が出ていますね・・・
でも、まだ、油漏れも無いみたいだし、走行には支障無さそう。
リヤブレーキ
キャリパー
フロント同様にパッドは交換したばかりなのか、残量は問題ありません。
動きもそんなに悪くないですね。エアブローにて掃除!
ただ、このパッド交換はかなり遅かったのかな・・
ディスクがボロボロ
既に新しいパッドで慣らされてきているのと、気が付いたのがギリギリだったようで、限度値4mmのディスクですが、幸い厚みはあるようなので、このまま行くのも良いかも・・・・パッドが良く減るのと、若干音が出るかもしれないけどね・・・
交換になると、部品代が高いのでそれでも良かったら交換が理想ですね。
リヤタイヤ
こちらもフロント同様に最近交換したようです。もちろん問題はありません。
これで、シャーシ関連の点検は終わりです。
続いて、エンジン周辺
エアークリーナーのエレメントの点検の為に外装を一部外していくのですが、外装はあちこちで劣化が有りますね・・・
こけ傷や、シートの皮が破けてたり・・・
サイドのステップしたのカバーの爪も割れてます
ここらへんもゆくゆくは直してもらいたいところですね・・
と言うのも、見た目は気にしないって方が、スクーター乗りには多いのですが、大事ですよ!まず、そのバイクに愛着がわかなくなる→メンテも適当になる→良く壊れる→修理代が高くなる→乗るのが嫌になる→乗り換える→最初は大事にするけどやはり外装が傷む→愛着が薄れる→・・・・・・・
この負のスパイラルに突入ですからw
走行に支障が無いので、気にしないとなるけど少し考えてみてくださいね~
では、続き
エアクリーナーエレメント

見た目は綺麗ですが、結構長い時間使用しているのかな?
通常フィルターにオイルが塗布されていますが、完全に乾いていますし、結構傷んでます。。。
一度交換されては如何でしょうか?
ボックス内
パッキンがよれよれなのと、後端部は吹き込んだエンジンオイルでドロドロです。
掃除はしておいた方が良さそうですな。トラブルの元です。
続いて駆動系
駆動系のケースカバー前部に取りつく冷却用のエアフィルターが汚れが酷いのとスポンジがボロボロです。
交換ですね
このバイクは電子制御タイプなので、Wローラーなどは入っていません。
ドライブプーリー・ドライブフェイスの消耗具合
特に問題無
ドライブベルト
傷が入りサイド部が消耗してきています4万キロ超えているので一度交換が良いでしょう。
2万キロごとに交換がお勧めなので、分かり易いですね、交換しておいた方が・・・
クラッチ部
クラッチシューの消耗が有りますが、まだ2万キロは持ちそうです。
プーリーのトルクカムのグリスアップがお勧めです。
ケース内部エアブローにて掃除、各部グリスアップは必須です
冷却水(クーラント)
補水、交換等一度もしていないのかリザーブタンクは空っぽです・・・・
ラジエターキャップ内
こちらからもクーラントが見えてません。。。
どこからか漏れ出している可能性もありますが、新車から一度も交換や補水が無いなら、今がギリギリ間に合うタイミングですね
冷却水の交換が必要です。
場合によっては漏れている可能性もありますので、チェックが必要です。
点火プラグ
電極の摩耗が進んでいるので交換が良いですね
エンジンオイル
量は規定量入っていますが、色が真っ黒・・・
補充して調整していたのかな?
もちろん交換です。
漏れているところをチェックしてみたんですが、このエンジン特有のヘッドカバータペット調整シャフトの根元からオイル漏れが有ります。
ここはOリングパッキンが入っていますが、よく硬くなり千切れている事があるので、今のうちに交換が良いですね。
ヘッドカバーパッキンを含めて作業を行ないます。
以上が点検結果となります。
結果から以下の内容で見積を書いています。
・フロントフォークダストシールの交換、フォークオイル交換(お勧めはOH)
・前後ブレーキフルード交換(必須)
・リヤブレーキディスクの交換(お勧め)
・バッテリー交換(必須)
・フロントウインカー電球の交換オレンジ球(必須)
・ヘッドライト電球交換左右(必須)←最低でも左の球
・エアクリーナーエレメント、パッキン交換(お勧め)
・ドライブベルト交換、クラッチトルクカムOH(必須)
・ファイナルミッションオイル交換(必須)
・エンジンオイル交換(必須)
・ヘッドカバーパッキン類交換(お勧め)
・冷却水交換(必須)
・冷却水漏れチェック(必須)
・点火プラグ交換(お勧め)
・スマートキー電池交換(施行済み)
こんなところでしょうか・・・
ただ今見積中です。またわかり次第連絡し相談に乗りたいと思いますので、もう少々お待ちくださいね。
続きまして、先日TNさんからのご紹介でSさんのZZR1100の故障探究です!
ご紹介有難う御座います!!
10日ほど前に通販にて関東ショップから納車されたこの車両・・・・
届いてから乗ってみるものの・・エンジンの調子が今一すっきりしなかったらしいのです。
洗車の為に洗車場にて作業しその帰り道エンジンが始動できず家までどうにか帰ったそうな・・・・((+_+))
その後エンジン始動を試みるが、結果かからず当店に電話と言った経緯です。
私が引き取りに行ったときにはチョークでエンジンは始動できますが、明らかに無理やりアイドリングさせている状態で、スロットル開度1/4付近は全く吹け上がろうとせず、エンスト・・・
帰店後、昨日たまたま来てくれたSさんと共に状況考察していきました。
走行距離は5万オーバーですが、エンジンは比較的しっかりしている印象です。
暖機を十分に行ってから、スナップしレーシング
やはり、1/4付近はグダグダです。
ここで、キャブレターである事に確証をもちまして、分解の為にエアクリーナー、プラグのチェック
症状は、濃い印象と薄い印象が入り混じった状態で分かりにくいですね・・・
エアクリーナーはK&Nのリプレイスメントフィルターを装着、プラグは新しい割に少し汚れが着いている感じですが、湿気ってはいません。さんざん回したせいもあると思います。
その作業中・・・・Sさんは絶句w そりゃそうでしょう・・・納車直後ですからね
キャブレターを外して、外面チェック後分解です。
この時点で、フロートチャンバーとキャブトップの継ぎ目に液体ガスケットのはみ出ているのを発見します・・・
やはり、フロートチャンバ(ガソリンの溜まる部屋)のパッキン部には、やってはいけない液体ガスケットでの漏れ止め処置がありました・・
見事にはみ出たガスケットがチャンバー内部に侵入しふやけてます・・・・
あちらこちらにはその千切れた破片のカスみたいなものがありました・・・・
メインジェットとジェットホルダー
ジェットは見た目綺麗ですが、内部にはまだワニスが残っているのでしょう・・・茶色っぽい汁が出ています。
番手も192と、190・・・なんか大きすぎるような気がします。この年式のジェッティングはまだわかっていませんが、他の年式では162番台でしたw たぶん大きい物ですね。
エアフィルターの加減で少しセットアップでもしていたのかな??
スロージェットにはかじり傷
方向からいって緩める時になめったんでしょうね・・・
もちろん私の仕業ではありませんよ(^_^;)
これだけ傷めたら交換です。
番手も38とやはりワンランク大きい様に思います。
K&Nのフィルターなら、ジェッティングは、ノーマル番手から1ランク~2ランク上げで収まるはずなんですがね・・・
そりゃ濃い訳です・・・
おまけに、バキュームピストン(CVバルブ)のニードルの組み付けミスを発見(それも4気筒とも)

このニードルは上からスプリングと固定用の部品でバルブにガタが出ないように固定されています。
この状態で、スプリングを押しながら、針を縦方向に触ってみるとほぼ動かないのが正解ですが、このキャブレターは5mm程ガタがあり動いてしまいます。
右が正常な突き出た状態で、左はガタの分凹ませた状態
要はこの差分ガタがある訳です。
組み付け時に、バルブ内にしっかり上から固定用部品で押さえるんですが、しっくりこない状態で組んでしまうとこの様な事に成ります。
これが正常
これがダメな組み方。矢印の所がずれているのが分かると思います。
致命的なミスです。
走行中は、ニードルが浮いたり沈んだりガタがある分動きまくる訳ですが、メイン系の燃料が不規則に増えたり規定量に成ったりするので、ばらつきは酷くなります。
フロートバルブ

バルブの先にある黒い部分に線が入っていると思います。これあまりひどくないのですが、ここまで、いろいろあると気持ち悪いですね・・・・
シートのパッキンはまだしっかりしているので、交換かどうかが微妙に迷います。
キャブとキャブの間のフューエルラインのパッキンもにじみがあるので交換が必要ですね・・・
結論から言うと、この状態でアイドリングさせるのは絶対無理!!
よくこの状態のまま、アイドルストップスクリューでアイドリング回転数を上げて出荷したな・・・
知っていれば絶対にトラブルになる事は明白です。
知らない人が作業した方向性が濃厚ですが・・・・
素人系のショップですかね。あきれますほんと・・
まったく・・・・情けない
液体ガスケットの欠片が燃料内で浮遊し、スロージェットを詰まらせており始動困難
チョークを引くことで始動は出来るけど、元々濃いセットなっているジェッティングにより、チョークでは濃すぎるため、プラグはかぶる
かぶると失火するのでエンジンはかからない
スロー系の燃料が不足している中、どうにかエンジンが掛かっても、ニードルの組み付けミスによりものすごい頻度でバラつきがある為、アイドル不調、パーシャル区間はグダグダ、スロットルを1/2以上回すとその症状は薄れて回る
それもスロー系が死んでいるので、濃いめが丁度良い感じになる・・・・・・・
と言ったところですかね><
車体も古いので資料が見られません。メーカーに問い合わせて少し色々調べないといけません。
見積に時間を下さい・・・
終わり
少し時間が開いちゃいましたが、先日行ったHさんのフォルツァの点検結果を報告です!

元々はエンジンをかける事急に出来なくなったために修理でのご依頼でした。
引き取りに出向き確認したところ、バッテリー上がりでは?と思いましたので、ジャンプ用バッテリーで持ち帰り後早速エンジントライ!
すると、すこっとエンジンはあっさり始動することが出来ます。
やはり、読み通りバッテリー上がりが原因だったようです。
最近はインジェクションモデルが普及しているので、長年動かしていない車両でも、ガソリンを抜き替えて、バッテリーさえ交換すればエンジンは始動することも多いんですよね~^^;便利な世の中です。
状況を早速伝えたところ、ほったらかしになっているからと定期点検をご依頼くださいました。
では、報告です。
走行距離は43500㌔
パッと見た感じはやれている感じが漂っています。。。ご依頼主さんの息子さんに貸し出していたらこうなったそうな^^;;
今回原因、バッテリーからチェックしていきました。
初見でもそうだったんですが、スマートキーの反応が悪いんすよね・・・
メータのコーションも点滅しているので、スマートキーの電池も終わりのようです。
で、早速電池交換!

試してみると問題なく電源が入ってくれるようになりました。
っと、バッテリーでしたね


付いていたバッテリーは安価バッテリーでした。
電圧も9.41Vとご臨終です。。。。
充電系のチェックをジャンプ用バッテリーにてエンジン始動して、電装品と一緒にテストしていきます。
充電は問題なくしてくれるようですね。
ただ、灯火類のチェックをしていてダメなところを発見!

フロントウインカーです。
レンズがクリアーに変更されていますが、電球が・・・・

これでは整備不良でつかまりますね・・・
オレンジ球に交換しておくべきです。
後ヘッドライトのLOWビームは正常ですが・・・

HIビームの左が切れてました

こちらも電球交換が必要ですね。
他の保安装置は問題無
続いてフロントの足回り

フロントフォークの錆やオイル漏れ等はありません。
作動も、ややヘタリ感が強いですが走行には支障をきたさないレベルです。
しかし、フォークのダストシールにはひび割れがありました。

左右共にこのひび割れは見られます。
ヘタリ感もあるので、少し費用が掛かりますが、オーバーホールをするかダストシールだけでも交換するかしておいた方が良いですね・・
フロントブレーキキャリパー


パッドの残量も適正でピストンの作動も言うほど悪くないですね^^
ダストがたまっていたので、エアブローし掃除だけしておきました。
フロントマスターシリンダー
フルードの確認


もう何年も交換してませんね・・・
リヤマスター

こちらも同じく・・・
キャリパーの作動がまだましなうちに一度ちゃんと抜き替えてエア抜きもしておくべきですね。
書き忘れていましたが、フロント足回りのホイールベアリング、ステムベアリングはガタも無く正常です。
フロントタイヤ

こちらも溝、タイヤの状態共に異常なし。空気圧が低そうなので、きっちり見直しておきます。
リヤ足回り
エンジンマウント、リヤドライブシャフトベアリング、ピボット部共にガタも無く正常でした。
リヤサスペンションはヘタリ感が出ていますね・・・

でも、まだ、油漏れも無いみたいだし、走行には支障無さそう。
リヤブレーキ
キャリパー


フロント同様にパッドは交換したばかりなのか、残量は問題ありません。
動きもそんなに悪くないですね。エアブローにて掃除!
ただ、このパッド交換はかなり遅かったのかな・・
ディスクがボロボロ


既に新しいパッドで慣らされてきているのと、気が付いたのがギリギリだったようで、限度値4mmのディスクですが、幸い厚みはあるようなので、このまま行くのも良いかも・・・・パッドが良く減るのと、若干音が出るかもしれないけどね・・・
交換になると、部品代が高いのでそれでも良かったら交換が理想ですね。
リヤタイヤ

こちらもフロント同様に最近交換したようです。もちろん問題はありません。
これで、シャーシ関連の点検は終わりです。
続いて、エンジン周辺
エアークリーナーのエレメントの点検の為に外装を一部外していくのですが、外装はあちこちで劣化が有りますね・・・
こけ傷や、シートの皮が破けてたり・・・
サイドのステップしたのカバーの爪も割れてます



ここらへんもゆくゆくは直してもらいたいところですね・・
と言うのも、見た目は気にしないって方が、スクーター乗りには多いのですが、大事ですよ!まず、そのバイクに愛着がわかなくなる→メンテも適当になる→良く壊れる→修理代が高くなる→乗るのが嫌になる→乗り換える→最初は大事にするけどやはり外装が傷む→愛着が薄れる→・・・・・・・
この負のスパイラルに突入ですからw
走行に支障が無いので、気にしないとなるけど少し考えてみてくださいね~
では、続き
エアクリーナーエレメント


見た目は綺麗ですが、結構長い時間使用しているのかな?
通常フィルターにオイルが塗布されていますが、完全に乾いていますし、結構傷んでます。。。
一度交換されては如何でしょうか?
ボックス内

パッキンがよれよれなのと、後端部は吹き込んだエンジンオイルでドロドロです。
掃除はしておいた方が良さそうですな。トラブルの元です。
続いて駆動系

駆動系のケースカバー前部に取りつく冷却用のエアフィルターが汚れが酷いのとスポンジがボロボロです。


交換ですね
このバイクは電子制御タイプなので、Wローラーなどは入っていません。
ドライブプーリー・ドライブフェイスの消耗具合

特に問題無
ドライブベルト



傷が入りサイド部が消耗してきています4万キロ超えているので一度交換が良いでしょう。
2万キロごとに交換がお勧めなので、分かり易いですね、交換しておいた方が・・・
クラッチ部


クラッチシューの消耗が有りますが、まだ2万キロは持ちそうです。
プーリーのトルクカムのグリスアップがお勧めです。
ケース内部エアブローにて掃除、各部グリスアップは必須です
冷却水(クーラント)


補水、交換等一度もしていないのかリザーブタンクは空っぽです・・・・
ラジエターキャップ内

こちらからもクーラントが見えてません。。。
どこからか漏れ出している可能性もありますが、新車から一度も交換や補水が無いなら、今がギリギリ間に合うタイミングですね
冷却水の交換が必要です。
場合によっては漏れている可能性もありますので、チェックが必要です。
点火プラグ


電極の摩耗が進んでいるので交換が良いですね
エンジンオイル


量は規定量入っていますが、色が真っ黒・・・
補充して調整していたのかな?
もちろん交換です。
漏れているところをチェックしてみたんですが、このエンジン特有のヘッドカバータペット調整シャフトの根元からオイル漏れが有ります。

ここはOリングパッキンが入っていますが、よく硬くなり千切れている事があるので、今のうちに交換が良いですね。
ヘッドカバーパッキンを含めて作業を行ないます。
以上が点検結果となります。
結果から以下の内容で見積を書いています。
・フロントフォークダストシールの交換、フォークオイル交換(お勧めはOH)
・前後ブレーキフルード交換(必須)
・リヤブレーキディスクの交換(お勧め)
・バッテリー交換(必須)
・フロントウインカー電球の交換オレンジ球(必須)
・ヘッドライト電球交換左右(必須)←最低でも左の球
・エアクリーナーエレメント、パッキン交換(お勧め)
・ドライブベルト交換、クラッチトルクカムOH(必須)
・ファイナルミッションオイル交換(必須)
・エンジンオイル交換(必須)
・ヘッドカバーパッキン類交換(お勧め)
・冷却水交換(必須)
・冷却水漏れチェック(必須)
・点火プラグ交換(お勧め)
・スマートキー電池交換(施行済み)
こんなところでしょうか・・・
ただ今見積中です。またわかり次第連絡し相談に乗りたいと思いますので、もう少々お待ちくださいね。
続きまして、先日TNさんからのご紹介でSさんのZZR1100の故障探究です!
ご紹介有難う御座います!!
10日ほど前に通販にて関東ショップから納車されたこの車両・・・・

届いてから乗ってみるものの・・エンジンの調子が今一すっきりしなかったらしいのです。
洗車の為に洗車場にて作業しその帰り道エンジンが始動できず家までどうにか帰ったそうな・・・・((+_+))
その後エンジン始動を試みるが、結果かからず当店に電話と言った経緯です。
私が引き取りに行ったときにはチョークでエンジンは始動できますが、明らかに無理やりアイドリングさせている状態で、スロットル開度1/4付近は全く吹け上がろうとせず、エンスト・・・
帰店後、昨日たまたま来てくれたSさんと共に状況考察していきました。
走行距離は5万オーバーですが、エンジンは比較的しっかりしている印象です。
暖機を十分に行ってから、スナップしレーシング
やはり、1/4付近はグダグダです。
ここで、キャブレターである事に確証をもちまして、分解の為にエアクリーナー、プラグのチェック
症状は、濃い印象と薄い印象が入り混じった状態で分かりにくいですね・・・
エアクリーナーはK&Nのリプレイスメントフィルターを装着、プラグは新しい割に少し汚れが着いている感じですが、湿気ってはいません。さんざん回したせいもあると思います。
その作業中・・・・Sさんは絶句w そりゃそうでしょう・・・納車直後ですからね
キャブレターを外して、外面チェック後分解です。
この時点で、フロートチャンバーとキャブトップの継ぎ目に液体ガスケットのはみ出ているのを発見します・・・

やはり、フロートチャンバ(ガソリンの溜まる部屋)のパッキン部には、やってはいけない液体ガスケットでの漏れ止め処置がありました・・


見事にはみ出たガスケットがチャンバー内部に侵入しふやけてます・・・・
あちらこちらにはその千切れた破片のカスみたいなものがありました・・・・
メインジェットとジェットホルダー

ジェットは見た目綺麗ですが、内部にはまだワニスが残っているのでしょう・・・茶色っぽい汁が出ています。
番手も192と、190・・・なんか大きすぎるような気がします。この年式のジェッティングはまだわかっていませんが、他の年式では162番台でしたw たぶん大きい物ですね。
エアフィルターの加減で少しセットアップでもしていたのかな??
スロージェットにはかじり傷

方向からいって緩める時になめったんでしょうね・・・
もちろん私の仕業ではありませんよ(^_^;)
これだけ傷めたら交換です。
番手も38とやはりワンランク大きい様に思います。
K&Nのフィルターなら、ジェッティングは、ノーマル番手から1ランク~2ランク上げで収まるはずなんですがね・・・
そりゃ濃い訳です・・・
おまけに、バキュームピストン(CVバルブ)のニードルの組み付けミスを発見(それも4気筒とも)


このニードルは上からスプリングと固定用の部品でバルブにガタが出ないように固定されています。
この状態で、スプリングを押しながら、針を縦方向に触ってみるとほぼ動かないのが正解ですが、このキャブレターは5mm程ガタがあり動いてしまいます。

右が正常な突き出た状態で、左はガタの分凹ませた状態
要はこの差分ガタがある訳です。
組み付け時に、バルブ内にしっかり上から固定用部品で押さえるんですが、しっくりこない状態で組んでしまうとこの様な事に成ります。

これが正常

これがダメな組み方。矢印の所がずれているのが分かると思います。
致命的なミスです。
走行中は、ニードルが浮いたり沈んだりガタがある分動きまくる訳ですが、メイン系の燃料が不規則に増えたり規定量に成ったりするので、ばらつきは酷くなります。
フロートバルブ


バルブの先にある黒い部分に線が入っていると思います。これあまりひどくないのですが、ここまで、いろいろあると気持ち悪いですね・・・・
シートのパッキンはまだしっかりしているので、交換かどうかが微妙に迷います。

キャブとキャブの間のフューエルラインのパッキンもにじみがあるので交換が必要ですね・・・


結論から言うと、この状態でアイドリングさせるのは絶対無理!!
よくこの状態のまま、アイドルストップスクリューでアイドリング回転数を上げて出荷したな・・・
知っていれば絶対にトラブルになる事は明白です。
知らない人が作業した方向性が濃厚ですが・・・・
素人系のショップですかね。あきれますほんと・・
まったく・・・・情けない
液体ガスケットの欠片が燃料内で浮遊し、スロージェットを詰まらせており始動困難
チョークを引くことで始動は出来るけど、元々濃いセットなっているジェッティングにより、チョークでは濃すぎるため、プラグはかぶる
かぶると失火するのでエンジンはかからない
スロー系の燃料が不足している中、どうにかエンジンが掛かっても、ニードルの組み付けミスによりものすごい頻度でバラつきがある為、アイドル不調、パーシャル区間はグダグダ、スロットルを1/2以上回すとその症状は薄れて回る
それもスロー系が死んでいるので、濃いめが丁度良い感じになる・・・・・・・
と言ったところですかね><
車体も古いので資料が見られません。メーカーに問い合わせて少し色々調べないといけません。
見積に時間を下さい・・・
終わり
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