KDさん スティード400車検前点検見積報告!
2014/08/31 Sun. 21:27 [お預かり車両点検修理!!]
こんばんは
最近また作業が停滞気味です・・・ごめんなさい
お待たせしました。
KDさんのスティード400の車検前点検がようやく終わりましたので、報告です。
この車両も随分見なくなりましたね。
昔のアメリカンブームの火付け役に一役買った車両です。
その昔、まだ勤めていた頃に、この車両のカスタムばかりオーダー受けてやったのを思い出します。
その後、ヤマハがドラッグスターを出してからは、すっかりそっちへ流れましたが、当時ホンダかヤマハかで二分していましたw
このスティードは排気ガス対象モデルになるんですが、マフラーに触媒等付いていないので、社外品でも音量とガス検さえパスできれば問題ありません。
さて、車検前の点検作業です。
先ずはいつも通りバッテリーのチェックからですね。
常時電圧(エンジンOFF時のバッテリー電圧)
12.53V問題無ですね。
エンジンの掛かりも良く電圧降下も正常範囲です。
充電圧(エンジン始動後のバッテリー電圧を測定し充電電圧ピーク値を測定)
14.51V安定しています。
こちらも問題無。
保安装置の点検(ウィンカーやテールランプ等の作動確認)
テールランプは正常ですが、フロントブレーキを握った際にストップランプが光っていません。
リヤブレーキに対しては反応しています。
フロントブレーキのマスターシリンダー下にある、スイッチの確認をしたところ・・・
やはり、このスイッチの故障でした。
このままだと車検は落ちちゃいますので交換が必要です。
他のホーンやウインカー等は問題ありませんでした。
その他に預かり時聞いているのが、クーリングファン(ラジエターファン)が回りっぱなしになっているという症状です。
調べてみたら、やはり、ファンスイッチの故障が原因のようですね。
矢印の部品がファンなんですが、IGスイッチをONにすると常に回りだし水温と関係なく回り続けます。
本来、冷却水がエンジンの熱を奪いラジエターで冷やしてエンジンに戻しているのですが、夏場だったり長時間走っていたりすると、水温が上がり、沸騰しそうになります。
沸騰してはいけませんので、その付近までの水温になるまでに、ファンが回り強制的にラジエターを冷やすのが役割です。
一定の水温になるとスイッチがONになる様にサーモスイッチを設けてラジエターファンのON/OFFしているのが・・・
ピンボケしてますが、ラジエターに取りついているファンスイッチです。
現状エンジンを止めてから結構な時間になるので、通常にOFFになっているのが普通ですが、テスターを当ててみると
導通テストでは、限りなくスイッチはONになっている事を示していました。
スイッチがOFFにならない限りファンは止まりませんからスイッチが故障です。
このままの使用ではファンモーターが焼けてしまったり、バッテリー上がりのもとに成りますので、交換にて修理しておきます。
その際、クーラントを抜く必要がありますので、ご了承くださいね。
それでは、足回りの点検で、まずはフロントから
ステムベアリングとホイールベアリングをチェックしましたが異常なしです。
フォークもオイル漏れも無くヘタリ感も酷くはありません。
リヤに関してもスイングアームのベアリング、ホイールベアリング共にガタも無く異常なし。
リヤサスは、若干抜けた感じが否めません。乗るのには支障ないレベルなので、今回はパスですね。
ブレーキ
フロントブレーキは、キャリパーのピストンの作動が悪いですね。。。
パッドの残量を確認するのに外そうとしていたんですが、簡単には外れてくれません。
ピストンを押し戻すにも力が大変いるので、結構汚れが蓄積してきていると思います。
パッドはまだ残量もしっかりありますが、ピストンは錆もあり、動きがものすごくしぶくなっています。
このままの使用は引き摺りこそないですが、そのうち問題になりかねませんので、マスターも含めたOHをお勧めします。
このままだと効きも悪いです。
マスターシリンダー
リザーブタンクのネジがボロボロでした。
蓋裏に付く黒いダイヤフラムもフルードに侵されふにゃふにゃですね。
フルードの交換は随分やってないのか色が随分変色してきています。
やはりブレーキはOHをした方が良いですね。
リヤブレーキ(ドラムブレーキ)
リヤブレーキはドラムになるのですが、ブレーキダスト等の粉塵がすごいくらいでした。
エアーにて掃除とブレーキシューの動きを良くるためにグリスアップをして戻しておきました。
消耗材の消耗はまだ大丈夫です。
フロントタイヤ
溝はしっかりありますが、製造念が古いですな。2008年7週目製造(2月末?)前後とも6年落ちになります。
ひび割れがサイドウオールに出て来ています。
リヤタイヤ
2008年50週目製造(12月中旬)
こちらも溝はしっかりあります。ひび割れはフロントより少ない感じですが、表面が硬いのですぐにひび割れが出始めると思います。
タイヤに関しては、アメリカンでもありますので、敷いて交換は必須とは言いませんが、早い段階で交換を予定した方がいい感じですね。交換はお勧め。
スプロケット側のダストシールがボロボロになっていました。
このシールはスプロケットハブのベアリングに水やほこりを呼ばないための結構重要な部品です。
ここまで傷んでいると、ベアリングが錆びてしまったりするのでタイヤ交換時一緒に交換してください。
足回りの点検をしていて分かったのですが、マフラーのステーボルトが二つあるうちの一本が脱落しかけていました。
場所はサイレンサー上部の黒いステーのフレームマウントになる下側ですね。
緩んでいるだけかと思い、締めてみたんですが全く締まる気配がありません。。。
ステー奥にあるフレーム側の雌ねじが逝っている模様です。
このままだとマフラーが振動で折れてしまったり、ガチャガチャ音を出しかねません。
リコイルにてねじ山修正をしておくことをお勧めします。
続きまして、エンジン周辺パーツの点検
点火プラグから
この車両はツインプラグになるので各気筒2本ずつあります。
右側
右がフロントバンク、左がリヤバンク
左側
左がフロントバンク、右がリヤバンクとなります。
消耗もあまりなく、問題無ですね。
エアクリーナー
フィルターは真っ黒ですね。。。
走行距離が20000㌔ちょっとなのですが、結構汚れがたまっていました。
ガス検査がありますので、交換しておきます。
冷却水
ファンスイッチを交換する際にダダ漏れになりますので、基本全抜きです。
色はまだ大丈夫部ですが、リザーブタンクの方は半分以下まで水位が減っていました。
修理があるので、交換してエア抜きは十分しておきます。
エンジンオイル
量は適正、色は少し汚れが目立ちますね。r
ご依頼通りフィルターと一緒に交換しておきます。
水漏れ、オイル漏れ、ガソリン漏れ等は特にありません。
以上が点検結果です。
結果から以下の内容で、見積を作成します。
・フロントブレーキOH パッドは再使用(必須)
・フロントブレーキスイッチ交換(必須)
・リヤブレーキ掃除、グリスアップ(施行済み)
・前後タイヤ交換(推奨)
・スプロケットハブダストシール交換(推奨)
・ファンスイッチ交換(必須)
・クーラント交換、エア抜き(必須)
・マフラーステーマウント修理(必須)
・エアクリーナーエレメント交換(必須)←ガス検査に対応する為
以上です。
見積が出来次第、電話連絡しますので、その時に修理内容を最終決定したいと思います。
思ったより傷んでいたわけですが、今までのメンテ不足や修理不足が原因で修理は嵩むものです。
車検制度を利用して、2年ごとの定期整備としていただくだけで、今回の様にかさばる事も少なくなると思いますので、検討してみてくださいね。
それでは、またご連絡します!
最近また作業が停滞気味です・・・ごめんなさい
お待たせしました。
KDさんのスティード400の車検前点検がようやく終わりましたので、報告です。

この車両も随分見なくなりましたね。
昔のアメリカンブームの火付け役に一役買った車両です。
その昔、まだ勤めていた頃に、この車両のカスタムばかりオーダー受けてやったのを思い出します。
その後、ヤマハがドラッグスターを出してからは、すっかりそっちへ流れましたが、当時ホンダかヤマハかで二分していましたw
このスティードは排気ガス対象モデルになるんですが、マフラーに触媒等付いていないので、社外品でも音量とガス検さえパスできれば問題ありません。
さて、車検前の点検作業です。
先ずはいつも通りバッテリーのチェックからですね。
常時電圧(エンジンOFF時のバッテリー電圧)

12.53V問題無ですね。
エンジンの掛かりも良く電圧降下も正常範囲です。
充電圧(エンジン始動後のバッテリー電圧を測定し充電電圧ピーク値を測定)

14.51V安定しています。
こちらも問題無。
保安装置の点検(ウィンカーやテールランプ等の作動確認)

テールランプは正常ですが、フロントブレーキを握った際にストップランプが光っていません。
リヤブレーキに対しては反応しています。
フロントブレーキのマスターシリンダー下にある、スイッチの確認をしたところ・・・


やはり、このスイッチの故障でした。
このままだと車検は落ちちゃいますので交換が必要です。
他のホーンやウインカー等は問題ありませんでした。
その他に預かり時聞いているのが、クーリングファン(ラジエターファン)が回りっぱなしになっているという症状です。
調べてみたら、やはり、ファンスイッチの故障が原因のようですね。

矢印の部品がファンなんですが、IGスイッチをONにすると常に回りだし水温と関係なく回り続けます。
本来、冷却水がエンジンの熱を奪いラジエターで冷やしてエンジンに戻しているのですが、夏場だったり長時間走っていたりすると、水温が上がり、沸騰しそうになります。
沸騰してはいけませんので、その付近までの水温になるまでに、ファンが回り強制的にラジエターを冷やすのが役割です。
一定の水温になるとスイッチがONになる様にサーモスイッチを設けてラジエターファンのON/OFFしているのが・・・

ピンボケしてますが、ラジエターに取りついているファンスイッチです。
現状エンジンを止めてから結構な時間になるので、通常にOFFになっているのが普通ですが、テスターを当ててみると

導通テストでは、限りなくスイッチはONになっている事を示していました。
スイッチがOFFにならない限りファンは止まりませんからスイッチが故障です。
このままの使用ではファンモーターが焼けてしまったり、バッテリー上がりのもとに成りますので、交換にて修理しておきます。
その際、クーラントを抜く必要がありますので、ご了承くださいね。
それでは、足回りの点検で、まずはフロントから
ステムベアリングとホイールベアリングをチェックしましたが異常なしです。
フォークもオイル漏れも無くヘタリ感も酷くはありません。
リヤに関してもスイングアームのベアリング、ホイールベアリング共にガタも無く異常なし。
リヤサスは、若干抜けた感じが否めません。乗るのには支障ないレベルなので、今回はパスですね。
ブレーキ
フロントブレーキは、キャリパーのピストンの作動が悪いですね。。。

パッドの残量を確認するのに外そうとしていたんですが、簡単には外れてくれません。
ピストンを押し戻すにも力が大変いるので、結構汚れが蓄積してきていると思います。



パッドはまだ残量もしっかりありますが、ピストンは錆もあり、動きがものすごくしぶくなっています。
このままの使用は引き摺りこそないですが、そのうち問題になりかねませんので、マスターも含めたOHをお勧めします。
このままだと効きも悪いです。
マスターシリンダー



リザーブタンクのネジがボロボロでした。
蓋裏に付く黒いダイヤフラムもフルードに侵されふにゃふにゃですね。
フルードの交換は随分やってないのか色が随分変色してきています。
やはりブレーキはOHをした方が良いですね。
リヤブレーキ(ドラムブレーキ)


リヤブレーキはドラムになるのですが、ブレーキダスト等の粉塵がすごいくらいでした。
エアーにて掃除とブレーキシューの動きを良くるためにグリスアップをして戻しておきました。


消耗材の消耗はまだ大丈夫です。
フロントタイヤ


溝はしっかりありますが、製造念が古いですな。2008年7週目製造(2月末?)前後とも6年落ちになります。
ひび割れがサイドウオールに出て来ています。
リヤタイヤ


2008年50週目製造(12月中旬)
こちらも溝はしっかりあります。ひび割れはフロントより少ない感じですが、表面が硬いのですぐにひび割れが出始めると思います。
タイヤに関しては、アメリカンでもありますので、敷いて交換は必須とは言いませんが、早い段階で交換を予定した方がいい感じですね。交換はお勧め。
スプロケット側のダストシールがボロボロになっていました。


このシールはスプロケットハブのベアリングに水やほこりを呼ばないための結構重要な部品です。
ここまで傷んでいると、ベアリングが錆びてしまったりするのでタイヤ交換時一緒に交換してください。
足回りの点検をしていて分かったのですが、マフラーのステーボルトが二つあるうちの一本が脱落しかけていました。

場所はサイレンサー上部の黒いステーのフレームマウントになる下側ですね。



緩んでいるだけかと思い、締めてみたんですが全く締まる気配がありません。。。
ステー奥にあるフレーム側の雌ねじが逝っている模様です。
このままだとマフラーが振動で折れてしまったり、ガチャガチャ音を出しかねません。
リコイルにてねじ山修正をしておくことをお勧めします。
続きまして、エンジン周辺パーツの点検
点火プラグから
この車両はツインプラグになるので各気筒2本ずつあります。
右側

右がフロントバンク、左がリヤバンク
左側

左がフロントバンク、右がリヤバンクとなります。
消耗もあまりなく、問題無ですね。
エアクリーナー

フィルターは真っ黒ですね。。。
走行距離が20000㌔ちょっとなのですが、結構汚れがたまっていました。
ガス検査がありますので、交換しておきます。
冷却水


ファンスイッチを交換する際にダダ漏れになりますので、基本全抜きです。
色はまだ大丈夫部ですが、リザーブタンクの方は半分以下まで水位が減っていました。
修理があるので、交換してエア抜きは十分しておきます。
エンジンオイル

量は適正、色は少し汚れが目立ちますね。r
ご依頼通りフィルターと一緒に交換しておきます。
水漏れ、オイル漏れ、ガソリン漏れ等は特にありません。
以上が点検結果です。
結果から以下の内容で、見積を作成します。
・フロントブレーキOH パッドは再使用(必須)
・フロントブレーキスイッチ交換(必須)
・リヤブレーキ掃除、グリスアップ(施行済み)
・前後タイヤ交換(推奨)
・スプロケットハブダストシール交換(推奨)
・ファンスイッチ交換(必須)
・クーラント交換、エア抜き(必須)
・マフラーステーマウント修理(必須)
・エアクリーナーエレメント交換(必須)←ガス検査に対応する為
以上です。
見積が出来次第、電話連絡しますので、その時に修理内容を最終決定したいと思います。

思ったより傷んでいたわけですが、今までのメンテ不足や修理不足が原因で修理は嵩むものです。
車検制度を利用して、2年ごとの定期整備としていただくだけで、今回の様にかさばる事も少なくなると思いますので、検討してみてくださいね。
それでは、またご連絡します!