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SIさん ゼファー1100キャブレターOH点検!&STさん リトルカブエンジン不調修理故障探究! 

こんにちは

いよいよ明日から4月!なんですね~♪春本番!
日増しに加速するこの体内時計の早回しには、唖然とする今日この頃です。1年の3分の一消化するのにあっという間でございます(・_・;)

さて、今日もこんな時間に更新なんですが、この方が仕事しやすいのかな・・なんて思ったりしてます。

あ!ここの所午前様状態が続いていまして、朝の定刻通りの開店が出来ていません。

「そんな事論外じゃん?!」

営業時間を守りたいのですが、どうしても時間が足りない状況でじっくりできる晩方作業が多くなりますので、そこは生暖かい目で見守ってやってください。
私的にも時間は守りたいのですが、なかなかうまくいきません。
そこに関しては謝るしかないのです。ごめんなさい<(_ _)>






では、報告を・・・
お待たせしてます、SIさんのゼファー1100のキャブレターOH
ようやく作業に入っています。
ご自身で、分解清掃したとの事で、調子が今一なのだとか・・・
お話をお伺いしていると、自信が無い部分が多々あるとか^^;

早速状況を把握していきます。
SIキャブ見積もり (1)SIキャブ見積もり (2)
エンジンはノーマル、マフラーもノーマルです。
キャブレターはKOSO製パワーフィルターで直キャブ仕様ですね。
実は、ご依頼時にはFCRでのお話しでした・・・
ノーマルキャブがうまく行かなかったので、中古のFCRの入手して取り付けたらしいのです。
しかし、調子が悪く走り出すとものすごく「どっかん!」仕様で、乗りにくい状態で悩んでおられました。
それで、セッティングできないかとのご依頼だったのです。
話を聞いているうちにだんだん状況が分かり、どうして分解に至ったのかも分かりました。
単純にパワー的な部分を少し上げてみたくなったとの事です。

エンジンの仕様から、ノーマルマフラー+FCRではセッティングがしびや過ぎます。
何故なら、マフラーの抜けが悪いから。
高回転付近は基本的にあまり使わないと思いますが、本来のパワーアップと路線がずれてきます。
機械的にもそうです。
うまくできたとして、パワーと言うよりは、図太いトルクアップすると言った感じで、気難しい仕様になるからですね。
ノーマルを使ったセッティングは違う車両でもたびたびやっている私。
体感できるパワーアップだけなら、ノーマルキャブで直キャブ化し、ちゃんとセッティング出してやることで解決します。
それ以上になった場合は別の話ですが・・・

と、言ったお話をして、今回はとりあえず所見でもありますので、元通りの状態を再現し調子が悪く無さそうであれば次へステップアップしては?と、相成りました^^
調子自体は悪くなかったとの事なので、そこからセッティングを詰める方が楽ですしね(笑)

そんな前置きです。はいw

では、作業に入りましょう。
キャブレターを外す際に色々指摘しておきたい部分がありましたので、書いておきます。
スロットルハウジングの固定がちゃんとできていません。
SIキャブ見積もり (3)SIキャブ見積もり (4)ハウジング固定用の突起が表に出ちゃっています。
これはハンドル交換の際に突起用の穴を開けていない場合によくある事例です。
結果、外してみるとぐるぐる回ってしまったのか、ハンドル側にはビニールテープがグルグル巻きに・・・
ちゃんと穴あけして固定しておきますね。

エンジンオイルSIキャブレター見積もり (28)1100ccともなる大きな空冷エンジンで、オイルの少ない状況は大変危険です。
交換時にしっかり適量入れるようにしましょう。
交換サイクルも、きっちり3千キロとし、入れるオイルもこの車両なら安い物は絶対NGです。
2千円弱くらいのバイク用高性能オイルを使用してください。
純正ならSTよりハイグレードをお勧めします。
今回は交換です。

点火プラグSIキャブレター見積もり (25)SIキャブレター見積もり (27)最近新品にしたらしいですが、キャブの調子が悪いのか真っ黒すすだらけです。少し濃いうえにエアーが多いのかな・・

この部品は再使用できそうです。

続きましてキャブレターです。
頑張って掃除をしたらしいのですが。。。
SIキャブ見積もり (7)SIキャブ見積もり (8)SIキャブ見積もり (9)分解するまでも無く汚れが取り切れてません。(・_・;)

いよいよ分解です。
SIキャブレター見積もり (1)SIキャブレター見積もり (3)SIキャブレター見積もり (5)ガソリンの溜まるフロートチャンバ底部には、まだしっかり固形化したガスのタールがこべりついていました。
ジェット類も最悪な状態です。
取り外す際にしっかりジェットをドライバーで捉えていないのか頭がつぶれてます・・・
おまけにメインジェットの配列が・・・
#1キャブ メインジェット#128
#2キャブ メインジェット#130
#3キャブ メインジェット#128
#4キャブ メインジェット#130
交互に違う番手が入っていました・・・
カワサキ車両の場合、#1,4が#2,3よりワンランク薄い物が使用されます。
このジェットの場合だと
#1,4は#128 #2,3が#130となるはずです。
これは、後に出てくるジェットニードル(CVバキュームピストンに付く針)の違いからなる番手の違いです。
SIキャブレター見積もり (17)
因みに・・・このニードルもP型Q型とあるんですが、交互に入っておりジェットとの組み合わせはあべこべです~
調子が悪くてもおかしくありません。
逆に調子が悪くて良かったと思います。
もしこのような組間違いではなく、スロットル付近で適当な作業があった場合、エンジンの回転数をコントロールすることが出来なくなります。
これは非常に危険な状態だからです。


ご依頼時に欠品状態になってると聞いていたパイロットスクリューのワッシャとOリングも#1、#3で欠品してました。SIキャブレター見積もり (9)SIキャブレター見積もり (12)写真の中にあるワッシャ、Oリングです。。。

フロートバルブ
SIキャブレター見積もり (7)SIキャブレター見積もり (8)特に異常がありません。
再使用できそうです。

油面が少し狂う様なら、オーバーフロー起こすようなら交換ですが、キャブレター側の徹底洗浄でそれらはカバーできそうです。

SIキャブレター見積もり (23)SIキャブレター見積もり (24)
一通り確認しましたが、部品の損傷具合から以下の部品が交換です。

・メインジェット
・パイロット(スロー)ジェット
・パイロットスクリュセット
・パッキンガスケット類
・エンジンオイル、オイルフィルター交換

キャブレターはワニスもしっかりこべりついて汚れも取れてません。
調子を出すという目的にはキャブ本体も徹底洗浄が不可欠です。
綺麗にすべてやり直して調子を確認します。
見積をまず行いご連絡しますね。

SIさん
少し厳しい書き方をしました。
これは、危険と判断したからです。
この記事を読んでお気を悪くされたなら謝ります。
触ってみたい気持ちは、私もこの仕事を選んだので十二分に分かりますが、もう少し勉強して作業してくださいね。


みなさんにも当てはまりますが、「私、素人なんで・・・」は、公道をご自身で作業したバイクで走る場合は通用しません。
何故なら、公道だからです。
ご自身の命もそうですが、他人を巻き込んでしまうケースも多々発生しています。
キャブレターは、一つ間違うとバイクの暴走を招きます。
一旦暴走してしまうバイクを人の力だけでは止める事は絶対に無理なんです。
50ccでも本気を出されると人の手ではどうにもならない事を理解してください。

どうぞオートバイを簡単に思わないでほしい。
それは、色々なケースを見てきた私達「プロ」からの経験から言える話なんです。




話は変わりまして、昨日はSTさんのリトルカブのガソリン漏れの故障探究もしておきました。
ST故障探究 (1)
お知り合いから譲っていただいたらしいのですが、オイル交換など少し手直ししてから乗ってみたところガソリンが漏れてしかたないそうです。

早速分解して、修理箇所を特定します。
ガソリンはキャブレターから漏れているようです。
コックを閉めると止まるので、単純なオーバーフローですね。
エンジンはかかりますが、調子はグタグタです。
早速吸気系全般で点検です。
ST故障探究 (2)
まず・・レッグを取り外すと・・・スロットルワイヤー&チョークワイヤーの取り回しが変です。
エアクリーナー付近は外したとの事なので、組み付け時間違ったのでしょうね。さっきの記事とかぶりますが、危険ですよ・・・

エアクリーナーST故障探究 (6)ST故障探究 (7)前の放置環境が悪すぎですね・・・動物の毛が沢山入り込んでます。
エアーブローにて掃除しておきます。

エンジンオイルは事前に交換したとの事ですが・・
レベルゲージで確認すると、大量に入っています。
適量ちゃんと入れたとの事なので、恐らくオーバーフローしたガソリンがエンジン内部に混入したのでしょう。
残念ながら交換が必要です。
ST故障探究 (4)ST故障探究 (8)抜いてみると真っ黒けで、やはりかなり多い量です。
ガソリンがオイルを薄めているので、調子は出ませんし、エンジン焼き付きを呼んでしまいます。

キャブレターSTキャブレタ (1)STキャブレタ (2)
中を開けると・・・完全にガソリンが劣化して腐っています。
この写真を見るとものすごいくウェット感がありますが、ニスが固まってしまったように固形化していました・・
よくこれでエンジンが掛かっていたな^^;

ガソリンの量を規制しているフロートバルブもフロートごと固着して開いたままでした。STキャブレタ (4)これじゃあふれる訳です。

STキャブレタ (5)STキャブレタ (6)STキャブレタ (10)
ジェット類、フロートバルブは全て交換。
コテコテになったキャブもどこまで綺麗になるのか分かりませんが徹底的に洗浄して、通路の掃除も行います。

久しぶりにこのようなキャブ見ましたw
だって、マイナスドライバーでフロートチャンバの底部をこじると・・・STキャブレタ (9)こべりついたガスのカスがボロボロと・・・

調子よくなって貰いましょう。
ただ今部品手配中です。
また届き次第こちらで報告します。


それでは、作業に戻ります!
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テーマ: バイク屋さん日記

ジャンル: 車・バイク

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